内積の本来の意味について知っている人がいましたら教えていただきたいです。

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Re: 内積の本来の意味について知っている人がいましたら教えていただきたいです。

by harrier48math » 2025/1/26(日) 00:42:49

ベクトルの内積

ベクトルの内積は、2つのベクトルの「向きの近さ」を表す量です。ここでは、幾何的な定義と成分を用いた定義を紹介し、それらが同値であることを、正射影の概念を用いて丁寧に説明します。

幾何的な定義

2つのベクトル$\vec{a}$と$\vec{b}$のなす角を$\theta$とするとき、内積$\vec{a} \cdot \vec{b}$は以下のように定義されます。

\begin{equation}
\vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}| |\vec{b}| \cos\theta
\end{equation}

ここで、$|\vec{a}|$と$|\vec{b}|$はそれぞれベクトル$\vec{a}$と$\vec{b}$の大きさを表します。$\cos\theta$は、2つのベクトルのなす角$\theta$の余弦(コサイン)です。

正射影の説明

「正射影」とは、影のようなものです。太陽の光が真上から当たっているとき、地面にできる影を想像してください。この影が正射影です。ベクトル$\vec{b}$をベクトル$\vec{a}$の方向に正射影するとは、ベクトル$\vec{b}$の「影」をベクトル$\vec{a}$の方向に落とすことを意味します。

例えば、棒(ベクトル$\vec{b}$)が斜めに立っているとき、地面(ベクトル$\vec{a}$の方向)にできる影が正射影です。棒が地面に垂直に近いほど、影は長くなります。逆に、棒が地面に平行に近いほど、影は短くなります。

この影の長さは、$|\vec{b}|\cos\theta$で表されます。$\theta$は棒と地面のなす角です。


ベクトル$\vec{a} = (a_1, a_2)$、$\vec{b} = (b_1, b_2)$と成分で表されているとき、内積$\vec{a} \cdot \vec{b}$は以下のように定義されます。

\begin{equation}
\vec{a} \cdot \vec{b} = a_1 b_1 + a_2 b_2
\end{equation}

\subsection{幾何的な定義と成分を用いた定義の同値性}

上記2つの定義が同値であることを示します。ベクトル$\vec{a}$の単位ベクトルを$\vec{e_a}$とすると、$\vec{e_a} = \frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} = \left(\frac{a_1}{|\vec{a}|}, \frac{a_2}{|\vec{a}|}\right)$です。単位ベクトルとは、長さが1のベクトルのことです。ベクトル$\vec{a}$をその大きさ$|\vec{a}|$で割ることで、方向は同じで長さが1のベクトルを作ることができます。

ベクトル$\vec{b}$の$\vec{a}$への正射影ベクトルの大きさは$|\vec{b}|\cos\theta$であり、これは$\vec{b} \cdot \vec{e_a}$とも表せます。なぜなら、$\vec{b} \cdot \vec{e_a} = |\vec{b}| |\vec{e_a}| \cos\theta = |\vec{b}| \cdot 1 \cdot \cos\theta = |\vec{b}|\cos\theta$だからです。

$\vec{b} \cdot \vec{e_a}$を成分で表すと、

\begin{align*}
\vec{b} \cdot \vec{e_a} &= b_1 \frac{a_1}{|\vec{a}|} + b_2 \frac{a_2}{|\vec{a}|} \\
&= \frac{a_1 b_1 + a_2 b_2}{|\vec{a}|}
\end{align*}

この値に$|\vec{a}|$をかけると、

\begin{equation}
|\vec{a}| (\vec{b} \cdot \vec{e_a}) = a_1 b_1 + a_2 b_2
\end{equation}

となり、幾何的な定義と成分を用いた定義が一致することが示されました。

内積の分配法則


\begin{equation}
\vec{a} \cdot (\vec{b} + \vec{c}) = \vec{a} \cdot \vec{b} + \vec{a} \cdot \vec{c}
\end{equation}

これは、成分を用いて容易に証明できます。

まとめ

内積は、ベクトルの向きの近さを表す重要な概念であり、幾何的な定義と成分を用いた定義は同値です。また、内積は分配法則を満たします。

内積の本来の意味について知っている人がいましたら教えていただきたいです。

by kouji » 2025/1/05(日) 14:42:34

高校ベクトルの内積について。
|a||b|cosθ という定義が、成分の積の和 a₁b₁+a₂b₂ と同値で同じ値になるということの感覚の沿った合理的な説明が知りたいです。
証明は、それぞれベクトルの成分を文字で置いて式変形すれば得られますが、間には二乗の展開など少々複雑な計算を伴うものであり、それが結果的に a₁b₁+a₂b₂ という綺麗な形に落ち着くことの保証はなく、あくまで得られたラッキーな結果に過ぎません。
成分同士を掛けて足し合わせるということが、それぞれのベクトルの長さの積に間の角の余弦をかけること(言い換えれば片方のみのベクトルの方向についての成分の積)と、どう関係しているんでしょうか。
あと、内積を定義することによって、ベクトル計算の分配法則が成り立つと聞いたことがあるのですが、それについても教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。

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